こちらの記事では、キャンピングカーに取り付けるソーラーパネルに必要な発電力に関する検討方法を紹介したいと思います。
本記事を読むことによって、ソーラーパネル選びで失敗することなく、自分に合ったベストなソーラーパネルを見つけることができるようになります。
ソーラーパネルには様々な種類がありますが、ソーラーパネル選びにおいて特に発電力はとても重要なポイントになるのでぜひこちらの記事を参考にしていただければと思います。
車中泊の頻度別 必要な発電力目安
まずはじめに車中泊の頻度別の大まかな必要発電力の目安を紹介したいと思います。
- ライトユーザー(月1以下):100W
- ヘビーユーザー(毎週末):200W
- 超ヘビーユーザー(毎日):400W以上
上記は私の感覚に基づいたとてもざっくりとした目安なのですが、まずはだいたいこれくらいという認識を持っていただけるといいかと思います。
このように考えている根拠について、このあと例を挙げながら詳しく説明していきます。
電気使用量
それでは週に1回程度1泊2日の車中泊をするヘビーユーザーを例にして、まずは電気の使用量について考えてみましょう。
どのような電化製品をどれくらいの頻度で使うかによって当然電気の使用量は変わるのですが、ここでは以下のような電化製品を1泊2日で使用した前提で考えてみたいと思います。
- 湯沸かし器(600W):0.2時間
- ドライヤー(800W):0.2時間
- 冷蔵庫(30W):30時間
- 電子レンジ(600W):0.2時間
- 天井照明(10W):5時間
- エアコン(600W):4時間
なお、ここでは比較的消費電力が大きくなる電化製品のみをピックアップしました。(例えばスマホの充電などは大した電力消費にはならないため)
また記載している各機器の使用時間ですが、実際に1泊2日の車中泊旅をしてみると多くてもせいぜいこれくらいになるかと思います。
上記の各電化製品の使用量についてまとめると下の図のようになり、旅行中に合計3,750Whの電力を使用することになります。

このことから、少なくとも3,750Whを上回る電力を1週間で充電できるような発電力がソーラーパネルには必要となります。
ソーラーパネルの充電量
上述のように、1週間で3,750Whを上回る充電量をソーラーパネルで確保する必要があります。
それでは、200Wの発電力を持ったソーラーパネルを使用した場合で考えてみましょう。
ここでは、7日間のうち5日間晴れで、晴れの日に6時間ずつ充電できたと仮定して充電量を計算していきます。
この場合、単純計算で200W×5×6h=6,000Whの電力がソーラーパネルによって充電されることとなります。

しかし、実際はソーラーパネルのカタログ値通りの発電力で充電できることはほとんどないので注意が必要です。(自動車のカタログ燃費と同じようなものです)
体感ではありますが、実際の充電効率は冬:60%、春秋:70%、夏:80%くらいとなります。
例えば、秋に車中泊をするとしたら先ほどの図は以下のように修正されます。

よって実際の充電効率を考慮に入れた結果、200Wソーラーパネルの1週間の発電量は4,200Whと見積もられました。
電力バランス
上記の検討結果をまとめると、消費電力3,750Whに対して発電量が4,200Whなので、ソーラーパネルの発電によって車中泊時の使用電力が賄える計算になります。
まとめると下の図のようになります。

このことが、ヘビーユーザー(車中泊頻度が毎週末)には200Wのソーラーパネルが必要といった根拠となります。
ちなみに冬だと発電効率が下がってしまいますが、その分エアコンは使わないので消費電力も下がる、といった感じで季節ごとに消費電力と発電量はいい塩梅にバランスしていきます。
自分の使用環境に合わせて考える
ここまでソーラーパネルの発電力の考え方について一例を紹介してきましたが、実際はそれぞれの使用環境によって必要な発電力の見積もり方は変わってくると思います。
これも一例ですが、例えば以下のような項目が頭に浮かんでくるのではないでしょうか。
- 実際どれくらいの頻度で車中泊をするのか
- どれくらい晴れの日があり、日照時間はどれくらいと考えるのが妥当か
- 自分はどんな電化製品をどれくらいの頻度で使うのか
- 走行充電は併用しないのか 等々

使用環境によって必要なソーラーパネルの選択は変わってくると思いますので、自分の仮定にあわせてそれぞれの計算式を調整して自分自身の電力計画を立ててみてください。
電力計画の一例(私の場合)
ちなみに私の電力計画はどのようなものか、参考に紹介しておきたいと思います。
【コンセプト】
基本的にはソーラーパネルで充電した電力のみを使用して、2泊3日程度の車中泊旅を月に2回ほど楽しむ。夏はクーラー、冬は電気ヒーターを適宜使用して快適な車内空間を実現する。どうしても電力が足りなくなってしまう場合にのみ走行充電を併用する。
- キャンピングカー使用頻度:2週間に1度 2泊3日旅
- ソーラーパネル:200W
- バッテリー:3,840Wh (300Ah)
- 電化製品:湯沸かし器、ドライヤー、冷蔵庫、電子レンジ、照明、クーラー(冬は電気ヒーター)

夏にはクーラー、冬には電気ヒーターを使用したかったので比較的大容量のバッテリーを積んでおり、天気が多少悪かったとしても2週間かけて太陽光のみでバッテリーを満充電にできるようなソーラーパネルを選択しました。
もしエアコンや電気ヒーターなどの使用がかさみ旅行中に電力が不足してしまうような場合のみ、走行充電を使用する想定です。
個人的にソーラーパネルで充電した電気だけでやりくりできていると何だかエコなことをしている気分になれるので、こうした電力バランスになるように計画しました。
実際、走行充電を使用したことは今までほとんどありません。
ちなみに参考までに、私が使用しているソーラーパネルとバッテリーは以下のものです。
まとめ
こちらの記事ではソーラーパネルの発電力の検討方法について紹介しました。
使用環境によって搭載すべきソーラーパネルは変わってくると思うので、ぜひ本記事を参考に最適なソーラーパネル探しをしてみてください。
【親記事はこちら】


