この記事では車を自分で塗装した場合のメリットとデメリットを実体験をもとに紹介します。
これから自力での塗装を検討している方に、ぜひ参考にしていただければと思います。今回こちらでは車用塗料を手塗りする場合について紹介していきます。
ちなみに塗装作業の工程については別の記事で紹介しておりますので併せて参考にしていただければと思います。
メリット
車の雰囲気を大幅に変えることができる
当然ですが、色が変わると車の雰囲気はかなり変わります。カラーリングによっては別の種類の車に見えるなんてことも。
ちなみに私は白色のキャラバンをビスケット×マットブラックで塗装をしましたが、白色で優しくふんわりした印象だったキャラバンが塗装後はぐっと引き締まってかっこいい印象に変化しました。
【Before】標準ホワイトカラー

【After】ビスケット×マットブラック

圧倒的に安くすむ
自分で塗装することの一番のメリットとも言えますが、塗装屋さんにお願いするよりも圧倒的に費用を抑えることができます。私の場合、ざっくり3万円弱で塗装することができました。1色でカラーを仕上げる場合はもっと安くすることも可能だと思います。
- 塗料(ビスケット):13000円
- 塗料(マットブラック):6000円
- スプレー缶(プライマー/黒色スプレー):4000円
- 道具(刷毛/ローラー/マスキングテープ/やすり):4000円

もともとあった傷や汚れが目立たなくなる
新車の場合こんな心配はまったくないのですが、中古でかつなるべく安く車を仕入れようとすると、どうしても車体には積年の傷や汚れがついてしまっているものです。しかし、塗装をすることによってそれらの傷や汚れをほぼ消し去ることができます。塗装工程において、ボディ表面をヤスリで薄く削り、そのあとに塗料を表面に乗っけていくため、細かい傷や汚れなどは完全に塗料で覆われることになります。比較的大きな凹みがあったとしても、塗装前にパテ埋めをして平らにし、その上に塗料を乗っけていくことで凹みを目立たなくすることが可能となります。私の車も洗っても落ちない頑固な汚れや塗装剥がれの箇所などがありましたが、ご覧のようにきれいな仕上がりで元の汚れがまったくわからない状態になりました。
【Before】

【After】

友人・家族でやると良い思い出になる
1人でやってもやりがいのある作業でもちろん楽しいのですが、友人や家族などと一緒に塗装作業をすると達成感を共有することができ良い思い出になります。私の場合は妻と一緒に作業をしたのですが、色を決める段階からあれやこれや悩みつつも相談しながら協力して作業を進めていったので、塗装が完了したときには一大プロジェクトを一緒に成し遂げたような達成感を得ることができました。同じ苦労や喜びを共有できたのでより一層の愛着を持って車に乗り続けることができています。

(途中で雨が降ってきたりで慌ただしくなり不機嫌になってしまったりもしましたが、無事にきれいに塗り終わったあとには本当に報われて2人で大喜びしました)
万が一塗装後に車体に傷をつけてしまっても気軽に直せる
少し擦ってしまったくらいであればまったく何事もなかったかのように修復することが可能、という点も大きなメリットです。塗装後の余った塗料はきちんと蓋をして保管しておくことでしばらくは使うことができるので、万が一車を擦ってしまった場合にその箇所に塗料を上塗りするだけで簡単に修復ができます。手塗り塗装の場合は仕上がりがマットカラーなので、車で一般的なツヤありカラーと比べてそもそも傷が目立ちづらいですし、あとから塗料を上塗りしたとしてもその部分だけ色が浮かび上がって目立ってしまうというようなこともありません。
私の場合、走行時の小石などのチッピングで車の下部の塗料が少しとれてしまうこともあるので、気になったときはその都度塗料を筆で塗るようにしています。手間もお金もかからず車体をきれいな状態に保つことができるので非常に助かっています。
デメリット
作業場所の確保が必要
手塗り作業なので本格的な塗装ブースなどは必要ないとはいえ、さすがにマンションや賃貸の駐車場では周りの方の迷惑になるため作業をすることができません。作業に十分なスペースの私有地があるのが一番楽ですが、もしそういった場所がなければレンタルガレージなどを予約して作業するようにしましょう。
作業自体がそこそこ大変
基本的には丸一日かかる作業になります。特に車体が大きいとやすりをかける面積も塗装する範囲も大きいのでなかなかの重労働となります。また雨が降ってしまうとせっかく塗った塗料が流れてしまうので、天気の良い日でかつ暑すぎず寒すぎない日に作業ができると疲労を軽減することができると思います。作業は大変ですが、その分終わったときの達成感は非常に大きなものとなるので最後まで頑張ってやってみましょう!
多少ムラができる
丁寧に塗っても手塗りなのでどうしても塗りが厚い部分と薄い部分のムラが出てきてしまいます。あまりにも気になるようでしたらローラーで薄く4度塗り、5度塗りと回数を重ねてみるのもありかもしれません。できるだけ丁寧に塗っていくしかないですが、手塗りなのでそういうもの、という割り切りも必要だと思います。ちなみに私の車は3度塗りですが遠目から見たら普通にきれいな仕上がりですし、近くで余程ジロジロ見ない限りは気になるほどではない状態です。もしムラがピンポイントであれば、その部分にステッカーを貼ってしまって目立たなくするのも良いと思います。

塗装後についた汚れが残りやすい
塗装後しばらくすると雨などで車体に黒いスジがうっすらついてしまうことがあります。あまり気にはならないのですが、もし程度がひどくなってきたら全体を薄く塗り直すなどしてあげるときれいな車体に戻すことが可能です。塗り直す際には事前に600番のペーパーで軽く足付けをして脱脂をしてあげるときれいに塗り直すことができます。
売るときに値段が下がる
リセールバリューという観点ではやはり手塗りの塗装を施した車は不利になります。なので、基本的には新車ではなく中古で購入した車両に塗装をするようにしていくのがおすすめです。前述のように多少の傷や凹みは塗装後に目立たなくなりますので、あえて傷や凹みが多い車をなるべく安く購入して塗装するのも手です。どうしても手放す必要が出たときには、知人に安価で譲るなどが選択肢になってくるかと思います。
まとめ
こちらの記事では手塗りの塗装のメリット・デメリットを紹介しました。私自身、自分で塗装をしてみて本当に良かったと思っていますし、手軽に車の雰囲気を大きく変えることができるので、塗装に挑戦しようか迷っている人にはぜひおすすめしたいと思います。