こちらの記事では、快適な車中泊を実現する電気システムの配線図について徹底解説していきます。
キャンピングカーの電源の中心としてサブバッテリーを搭載し、どのように電気を使用・充電し、残量を管理するのかなど、電気システムの運用について1つずつ詳しく説明していきます。
安全性に配慮した電気システムとなっているので、こちらの記事を参考にしていただくことで安全で快適な車中泊を実現することができます。
チロルこの記事は以下のような方におすすめ!
・キャンピングカーに興味がある
・快適な車中泊をしてみたい
・具体的な配線方法を知りたい
快適な車中泊仕様とは


本記事における「快適な車中泊」とは、以下のようなことを想定しています。
・ソーラーパネルで貯めた電力で、電化製品を不自由なく使用できる
・緊急時にはメインバッテリーから走行充電することもできる
・冷蔵庫、電子レンジ、電子ケトル、IHを使って調理ができる
・ドライヤーやヘアアイロンなどを使って身だしなみを整えられる
・備え付けの水道で手を洗ったり歯を磨いたりできる
・暑い日にはエアコンをつけて涼むことができる
・就寝前には天井ライトのトーンを落としてリラックスできる
・アプリやモニターで電力の残量や充電状況を管理できる
・電力に異常が起こってもヒューズに守られ火災の心配がない
上記はあくまで一例ですが、基本的には家とさほど変わらない環境で過ごすことができれば「快適な車中泊」であると言えると考えています。
ちなみにキャンピングカーの電源として、ポータブル電源ではなくサブバッテリーを選択した理由は以下で紹介しておりますので、もし興味があればこちらもご覧ください。


配線図全体像
こちらが、今回紹介する配線図の全体像です。


この図だけ見せられてもよく分からないと思うので、このあと小分けにして詳しく説明をしていきます。
ひとまずここでは、この配線図のポイントだけ紹介しておきます。
・基本運用として、サブバッテリーに電気を充電し、その電気で電化製品を稼働する
・充電はソーラーパネルとメインバッテリーの2パターンで行う
・残量モニターやBT-2を使用して電力の残量や充電状況を管理する
・ケーブルの太さ(”14sq”などと記載)は、電化製品の消費電力やケーブル長さに応じて決まっている
・安全のため、各プラス配線にはヒューズが設定されている
・家庭用の電化製品は、インバーターで変換したAC100Vの電気を使用する
また、こちらの配線図に記載の製品は『参考)本記事に登場する製品一覧』にまとめてありますので、気になる製品がある場合はこちらで詳細をご確認ください。
配線図の詳細
配線図の中身について、以下の3つのブロックにわけて説明していきます。
①サブバッテリー充電システム
②100V電源システム
③12V電源システム
また、そのあと続けて『安全を配慮した配線』というトピックで、どのようにして配線の太さやヒューズ容量を決めたのか説明をしていきます。
①サブバッテリー充電システム
サブバッテリー充電システムにかかわる部分だけを抜き出した配線図がこちらです。


サブバッテリーは、ソーラーパネルとメインバッテリーの2パターンで充電されます。
・ソーラーパネル
メインの充電システム。基本的にはこちらでサブバッテリーを充電。
・メインバッテリー
サブの充電システム。電力が不足したときなど緊急時のみに使用。



私の場合、エコな電力を使用したバンライフに憧れがあったので、ソーラーパネルをメインの充電方法にしています。
なお、ソーラーパネルもメインバッテリーも走行充電器を経由してサブバッテリーに接続されていますが、それには以下のような理由があります。


走行充電器は、ソーラーパネルやメインバッテリー(オルタネーター)からの不安定な電圧を整え、サブバッテリーに適した形で充電を行う役割を担います。
また、近年非常に人気の高いリン酸鉄リチウムバッテリーでは、満充電後に高電圧をかけ続けない制御が重要となりますが、走行充電器がバッテリー種類に応じた充電制御を自動で行うため、バッテリーへの負荷が少なく長持ちさせることができます。



走行充電器により、安全で安定した充電が可能になります。
また、残量モニターとBT-2を取り付けることでサブバッテリーの充電状況が一目でわかるようになります。


残量モニターはサブバッテリーの残量を表示する機器で、BT-2はBluetoothを使って以下のようにスマートフォンでサブバッテリーの充電状況をリアルタイムで確認できるようにする機器です。


ちなみにサブバッテリーの充電システムについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
配線に関する細かな注意点や、ヒューズやスイッチの取り付けについて興味がありましたら、以下の記事でご確認いただければと思います。


②100V電源システム
100V電源システムにかかわる部分だけを抜き出した配線図がこちらです。
なお、説明が複雑になるのを避けるため、ここではシャントを省いた配線図を記載しています。


配線自体はシンプルで、サブバッテリーにインバーターをつなげプラス配線にヒューズを入れるだけです。
そもそも100V電源システムとは
キャンピングカーの電源としてサブバッテリーを使用する場合、サブバッテリーは12V電源なので家庭で使用している電化製品はそのままの状態では使用することができません。
そこで、それらの電化製品を車内でも使用できるようにするのが100V電源システムです。
このシステムを一度構築しておけば、車内でも家と同じように電気を使って快適に過ごすことができます。


100V電源の電化製品
100V電源を必要とする電化製品は、家庭のコンセントに挿して使ういわゆる普通の電化製品すべてとなります。
キャンピングカーで使用するものを例としてざっと挙げるとこんな感じです。
100V電源があれば車の中でも調理をしたり、ドライヤーで髪を乾かしたりすることもできますし、モニターをつなげて大画面でYoutubeやNetflixを見ることもできます。
ちなみに100V電源システムについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
配線に関する細かな注意点や実際の使用方法など、より詳細な情報はこちらをご確認いただければと思います。


③12V電源システム
12V電源システムにかかわる部分だけを抜き出した配線図がこちらです。
ここでも、複雑にならないようシャントを省いた配線図を記載しています。


『スイッチパネルまわりの配線』と、『エアコンの配線』の2つの項目に分けて説明していきます。
スイッチパネルまわりの配線
スイッチパネルは、一見配線が複雑で取り付けるのが難しそうにみえます。


しかし、図にして整理して考えると実はさほど配線は難しくありません。
全体の配線図では簡略化して記載していますが、スイッチパネルまわりの配線をもう少し詳しく記載すると以下のようになります。


図に示すように端子台を追加することで、バッテリーとスイッチパネル、そして複数の電化製品を配線でつなぐことができるようになります。
天井ライト以外に水道用ポンプなども配線したい場合は、天井ライトと同じような配線を別のスイッチ配線を使用して行うだけとなります。
また、未使用の配線に電気が流れることを防ぐために不要なヒューズは取り除いておきます。


上記のようなスイッチパネルまわりの配線については、以下の記事で詳しく紹介しております。
興味がある方はこちらの記事も併せてご確認ください。


ちなみに天井ライトの調光器の取り付けについては本記事では詳しく紹介しませんが、興味がある方は以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。


エアコンの配線
エアコンの配線にはもともとヒューズが組み込まれているので、配線はバッテリーに直接接続するだけ非常にシンプルです。


もしヒューズがついていないタイプのエアコンを使用する場合には、適切なヒューズを設定するようにしましょう。(適切なヒューズ容量については次項『安全を考慮した配線』を参考にしてみてください)
エアコンとバッテリーをつなぐ配線はとてもシンプルですが、エアコン自体の配線や配管(室内機と室外機の接続)はそこそこ大変な作業となります。


エアコン取付けに関して詳細にまとめた記事がありますので、その内容に興味がある方はこちらをご確認ください。


安全を考慮した配線
配線図に記載しているケーブル径やヒューズ容量は、ケーブルの長さや消費電力の大きさを加味して設定しました。
『最適なケーブル径の決め方』と、『ヒューズ取り付けの注意点』の2つの項目に分けて説明していきます。
最適なケーブル径の決め方
ケーブル径は、以下の手順で決めました。
- ケーブルにつなげる電化製品の消費電力を確認
- 電源から電化製品までどれくらいの長さのケーブルが必要か確認
- 下の早見表に消費電力・ケーブル長さを当てはめケーブル太さを決める


こちらの早見表では、12V電源を使用することを前提として消費電力から消費電流を割り出しています。



最適なケーブル径は、消費電力と配線長さの組み合わせによって決まります。
例えば、50Wの冷蔵庫への配線が2mとなる場合は、1.25sqの太さのケーブルを使用する、といった形になります。
ヒューズ取り付けの注意点
まずはヒューズを取り付ける必要性について、ご存知の方が多いと思いますが、以下に簡単な説明を載せておきます。
ヒューズは電気回路を守るための安全装置です。ヒューズ内の細い金属線は通常使用の電流では問題なく電気を通しますが、ショートや故障などで想定以上の電流(過電流)が流れると、熱で溶けて回路を遮断します。これにより配線や機器の焼損、火災を防ぐことができます。ヒューズが切れたときは、どこかで異常が起きたサインでもあるため、交換するだけでなく原因を確認することが大切です。車や家庭用電気製品などさまざまな機器に使われており、安全に電気を使うために欠かせない存在です。
安全性を確保するために、以下のことを考慮してヒューズを取り付けるようにしましょう。
・消費電流 < ヒューズ容量 < ケーブル許容最大電流 の関係を守る
・ヒューズはできるだけ電源(サブバッテリー)の近くに取り付ける
なぜバッテリー近くに取り付けるのかというと、バッテリーからヒューズまでの間の配線はヒューズに守られないためその部分をできるだけ少なくしたい、というのが理由となります。
ケーブル径を決めるための早見表の導出方法や、具体的なヒューズ容量の考え方など詳細は以下の記事で紹介していますので、より詳しい内容が知りたい方はこちらを確認してみてください。


まとめ
本記事では、快適な車中泊を実現する電気システムの配線図について紹介しました。
どのような車中泊を実現したいかによって必要な電化製品が決まり、おのずとそれに適した配線図が決まっていく流れになるかと思います。
安心で安全なバンライフを送るためにも、本記事で紹介している配線図を参考に電気システムを構築していただければ幸いです。



本記事が、キャンピングカーDIYに興味がある人にとって少しでも有益になれば嬉しいです。
参考)本記事に登場する製品一覧
本記事で紹介した配線図にも登場した、実際に私が使用している製品を参考までに載せておきます。
よろしければ参考にしてみてください。
【ソーラーパネル】
【走行充電器】
【サブバッテリー】
【BT-2】
【残量モニター】
【スイッチ】
【インバーター】
【電子ケトル】
【電子レンジ】
【冷蔵庫】
【エアコン】
【スイッチパネル】
【端子台】
【ロッカースイッチ】
【調光器】
【天井ライト】
【ヒューズ類】
・ソーラーパネルヒューズ
・80Aヒューズ
・250Aヒューズ
【ケーブル類】
・2sqケーブル
・3.5sqケーブル
・14sqケーブル
・22sqケーブル
・38sqケーブル
