こちらの記事では、もはやキャンピングカーには必需品とも言えるエアコンの室外機の取付方法について紹介していきます。エアコンは室内機と室外機がセットになってはじめて稼働させることができますが、その室外機を車のどこに設置するかは悩みどころとなります。今回は車の下への室外機取り付けに注目して、その方法や注意点などについて詳しく説明していきたいと思います。
室外機の取り付け状態
車の側面からみた室外機の取り付け状態は下の写真のようになっています。これが完成形となります。

室外機が車下に取り付いている状態を模式図で示すと以下のようになります。

取り付け位置の検討
私は日産キャラバンE25系をキャンピングカー仕様にしているのですが、車の下のもともとスペアタイヤが取り付けられていたスペースを室外機の取り付けに使用することにしました。
ハイエースなどバンタイプの車両は同様にスペアタイヤが車下に取り付けてあることが多いので、同じような取り付け方法が可能と思います。
なお、スペアタイヤは車に常設していなくても問題ありませんので、代わりにパンク修理キットなどを車に積んでおくことでこのスペースを有効活用しつつ非常時にもパンク対応することが可能となります。

ちなみに参考までに、私の場合はスペアタイヤを外した代わりに以下のような修理キットと電動ポンプを車に装備しています。
室外機の分解
室外機はおおよそ250x400x500のサイズがあるため(下記のDCエアコン参照)、車種にも依りますがスペースの都合でそのままの状態で車下に取り付けることは難しいことが多いと思います。(仮に取り付けられたとしても室外機が地面にぶつかる可能性があり非常に危険な状態となります)

そこで、室外機を分解してパーツごとに適所に取り付けることを検討していきます。パーツは大きくコンプレッサー、コンデンサー、ファンの3つに別れます。ここで分解したパーツは後の工程で車体へ固定していきます。

なお、こちらの分解工程の詳細は以下の記事で紹介しておりますので、興味がある方はこちらも参照してみてください。
取り付け土台製作
室外機の各パーツを車体に取り付けるにあたり、まずは取り付け土台(室外機パーツと車体の橋渡しとなる部品)を製作し取り付けていきます。取り付け土台は下の写真のハッチングしてある部品です。
車体側のフレームにかしめナットを取り付け、コの字アングルをボルトで固定をしたら土台は完成です。なお、コの字アングルは車体に沿わせるために一部曲げ加工をしています。

こちらの工程の詳細は以下の記事で紹介しておりますので、取り付けや加工など詳しい内容を知りたい方はこちらを併せて確認してみてください。
コンプレッサー懸架台製作
続いて、コンプレッサーを車体に固定するための懸架台を製作していきます。下の模式図の赤丸で囲んだ部分を製作します。

実際の写真で見ると、コンプレッサー懸架台は下のハッチングで囲んでいる部分となります。

L字アングルを組み合わせてカゴのような形で囲むようにしてコンプレッサーを保持します。

このとき、コンプレッサーは底面で4箇所ボルト締結されており、懸架台とがっちり固定されています。

製作したコンプレッサー懸架台を先に製作した土台のコの字アングルに固定することで、コンプレッサーを車体下に取り付けることができました。

コンプレッサー懸架台製作の詳細や注意点などは以下の記事で紹介しておりますので、詳しい内容に興味がある方はこちらも参照してみてください。
ファン・コンデンサー懸架台製作
続いて、ファンとコンデンサーを車体に固定するための懸架台を製作していきます。下の模式図の赤丸で囲んだ部分です。

実際の写真で見ると、ファン・コンデンサー懸架台は下のハッチングで囲んでいる部分となります。

分解していたファンとコンデンサーを取り付け穴位置が合うように重ね、コの字アングルとL字ブラケットを介して土台フレームに固定をしていきます。

少し細かいですが、下の写真のようにL字ブラケットの取り付けの際に隙間をワッシャーなどで埋めることで左右取付位置のばらつきを吸収しました。

こちらの工程の詳細は以下の記事で紹介しておりますので、併せて参照いただければと思います。
室外機を車下に取り付ける際の注意点
- フレーム類の高さはなるべく低く抑える
- 締結ボルトの緩み止めを行う
1つめについて、室外機を車下に取り付けてそれが大きく下に出っ張っていた場合、スロープや段差を乗り越したときなどに地面と接触する可能性があり非常に危険です。特に高速走行時に急な凹凸面を通過した際に車体が上下に揺れるなどして、室外機が地面と接触をしたら大事故につながる可能性もあるので、室外機は分解をして高さが抑えられるような部品配置を行い、かつできるだけ地面と室外機パーツやフレーム類との隙間を確保できるようにすることが重要です。なお、本記事で紹介している部品配置であれば地面と十分な距離を確保できていて安全であることが確認できておりますので、よろしければ参考にしていただければと思います。
2つめについて、走行中は段差などでそれなりの振動やショックがフレームや室外機パーツに加わるので、安全な走行をするためにも締結に使用するボルトには緩み防止のロックタイトを使用することをおすすめします。
まとめ
こちらの記事ではキャンピングカーへのエアコン室外機取り付け方法について紹介しました。エアコン室外機をコンパクトになるように車下に取り付けることができれば、安全にかつ車の外観にも影響なく快適なエアコンありバンライフを送ることができるので、ぜひこちらの記事で紹介した方法を参照して挑戦してみてください。