【キャンピングカー天井】天井板のビス留め

つくり方

こちらの記事では、天井板のビス留めについて紹介したいと思います。車内の天井に板を張る際に、固定方法としてビスを使用することを思いつくと思いますが、そのビスをどこにどのように留めるべきかは悩むところだと思います。実際に私自身も天井板の固定にビスを使用したので、どのように固定をしたかそのときの作業内容を交えながらお伝えしたいと思います。

完成形

まずビス留めをしたあとの完成形(天井板がビスで完全に留められている状態)についてですが、下の写真のようになります。
1枚の天井板につき5箇所をビスで留めているため、板はガタツキもなくしっかりと天井に取り付いている状態です。ビスが見栄え的に気になる方は、留めたあとで板の色にあった目隠しシールをビスの上に貼ってあげるとだいぶ目立たなくなると思います。

ビス留め箇所

ビスは、黄色の線で囲んでいる箇所に打ってあります。

基本的には、ビスは天井板越しにリンフォース(天井左右をつなぐ補強部品)に直接打ちつけています。リンフォースは、下の写真のように天井板の下に複数本車体に取り付けられています。

(厳密なことを言うと、一番上の列のビスはリンフォースではなく、土台の木枠に留まっています。少し細かい話なので、もしその詳細に興味がある方は下の記事を併せて確認してみてください。)

下穴あけ

いきなりビスで留める前に、天井板とリンフォースにドリルで下穴をあけていきます。

天井板を取り付けたい箇所で支えながら、面に垂直になるようにドリルをあてて天井板とリンフォースまとめて貫通する穴をあけます。1人では大変なので、この作業は最低2人、可能であれば3人ですることをおすすめします。

リンフォースは他の金属パネル部品と比べて板厚が大きいので、金属加工用の丈夫なドリルを使いましょう。ドリルもけっこう刃こぼれをしてしまうので、必要に応じて複数本用意しておくのがいいと思います。穴あけ作業する際は必ず保護メガネをするようにしましょう。

今回、下穴あけ用のドリルとしてこちらの商品を使用しました。

ビス留め

下穴があいたらビス留めをしていきます。

ビスを留めている箇所を車両横側から見た断面図が下の図です。
天井板をリンフォースに押し当てながらビスを打ち込んでいきますが、当然ルーフを貫通してしまってはいけないので、天井板の厚み(今回は11mm)を考慮して長さ20mm程度のビスを使用しました。

板の張りつける順番ですが、1つめは中央の板から取り付け、順々に左右に拡がるように板を取り付けていきました。これは断熱材を天井に仕込むにあたって作業をしやすくするためです。
この断熱材の詳細について興味がある方はぜひ以下の記事も参照してみてください。

リンフォースにビスを直打ちするメリット

今回、天井板の取り付け方法としてビスをリンフォースに直打ちすることを選択しましたが、その理由について以下で説明したいと思います。

リンフォースにビスを直打ちするメリットとしては大きく以下の2つがあると思います。

  • 頭上空間を広く確保できる
  • 余計な作業を省略できる

例えばリンフォースに直打ちをせず、リンフォースに添え木などをした場合、その分だけ天井の厚みが増してしまい車内空間が狭くなってしまいます。車内をできるだけ広く快適な空間に仕上げるために、ビスをリンフォースに直打ちする方法はとても有効だと考えています。

また、言わずもがなですが、ビスを直打ちすることで余計な工程(例えば、リンフォースに添え木を取り付けるなど)を省くことができ手間を省くことができます。特に天井まわりの作業は上を向いた状態での作業なので体への負担が大きいです。少しでも手間を省いて体への負担を軽減していきましょう。

以上のことから、リンフォースにビスを直打ちすることを選択しました。

リンフォースにビスを直打ちして問題ないか

リンフォースにビスを直打ちすることで問題が発生しないか心配な方もいるかと思いますが、結論から言うと問題はありません

特に、車体に穴をあけてしまって車検に通るのか、車体の強度が低下して安全性を損なったりしないか、と言った声がありそうですが、そのどちらの観点においても問題ありません。

例えば、車内外を貫通している大穴があったり、走行安全に関わる駆動系の部品に穴をあけているような明らかに「危険」とわかるような改造は車検に通らない可能性がありますが、車内で数か所ビス留めをしている程度の改造であれば保安基準を逸脱することもありませんし、車検の際に指摘が入るようなこともありません。

ちなみにユーザー車検については以下の記事でまとめていますので、キャンピングカー仕様車の車検について不安がある方はこちらの記事を参照してみてください。

ビスの直打ちによる車体強度や安全性への影響については下のトピックでもう少し細かく説明したいと思います。

リンフォース強度

下の図はリンフォースの断面を示したものです。

まず、このリンフォースの役割は、走行時の車体のねじれを抑制すること、横転時に車体がつぶれないように支えること、といったものがあります。

その役割を果たすにあたって、強度上重要になるのはリンフォースの角の部分(図の「稜線」)です。そのため、この稜線にかかるような穴をあけることはリンフォースの強度低下につながるのでしてはいけないのですが、逆に稜線と稜線の間のエリア(水色矢印部分)は小さな穴をあけても強度上問題はありません。むやみやたらに穴をあけるのはよくありませんが、ビスを留めるくらいの小さな穴が複数個あいたくらいではリンフォースの強度低下にはつながりません。(私自身、自動車会社でルーフの設計をしたこともあり、横転時の強度評価なども経験してきましたが、その経験の上で問題ないと考えております)

下の写真で示すように、実際車体には赤丸で囲んだ箇所にはビスより少し大きいサイズの穴、黄色で囲んだ箇所にはビスよりもずっと大きい穴があいております。これは部品を取り付けるために設計上もともとあけられている穴です。

これらに比べて今回あけるビスの穴はずっと小さいですし、ビス程度の小穴をあけただけでは著しい強度低下は起こりません(あったとしたら、それはそもそもの設計に問題があります)

以上のことから、リンフォースにビスを直打ちすることに問題はないと考えています。

まとめ

こちらの記事では、天井板のビス留めについて紹介しました。作業としてはそこそこ大変ですが、ひとつずつ手順を確認してやっていけば着実に進んでいきますので、実際に作業をされる方は根気強く頑張っていきましょう。もしその作業のなかで迷うようなことがあればこちらの記事を参考にしていただけると嬉しいです。

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