【キャンピングカー電気配線】ケーブルの安全な延長方法

キャンピングカーづくりでは、サブバッテリーまわりの電装や照明・USBポート追加などでケーブル延長が必要となりますが、延長の仕方を誤ると発熱・ショート・ヒューズ飛び・火災につながることもあります。

この記事では、DIYでも実践できる安全で確実なケーブル延長方法を、プロが使うやり方をベースに分かりやすくまとめます。

なぜ「延長方法」が重要なのか
ケーブル延長の基本原則
キャンピングカー車内でおすすめのケーブル延長方法
1. １．圧着スリーブ＋熱収縮チューブ
2. ２．ギボシ端子を使った延長
安全チェックリスト
まとめ

なぜ「延長方法」が重要なのか

キャンピングカーの配線は、住宅と違って振動・温度変化・湿気といった過酷な環境に晒されます。走行中の振動は常に加わり、夏の車内は60℃近くまで上がることもあります。

そのため、

ねじっただけの接続
ワンタッチコネクタ
適当な絶縁処理

などはすぐに接触不良の原因となり、最悪は溶ける・煙が出る・火災になる可能性があります。

延長方法を正しく理解しておくことが、安全なキャンピングカーづくりの基本となります。

ケーブル延長の基本原則

ケーブルの延長作業に入る前に、次の3つを押さえておきましょう。

（1）同じ太さのケーブルで延長する

電線の太さは“流せる電流量”に直結します。細い線を使うとそこが弱い部分となり発熱しやすくなってしまうため、同じ太さのケーブルで延長するようにしましょう。

なお、ケーブル径の選定方法は以下の記事で詳しく紹介しておりますので、詳細に興味がある方はこちらを参照ください。

（2）接続点は最小限に

接続箇所はどうしても弱点となりトラブルが発生するリスクとなります。接続点を最小限にするために、延長は「一回で確実に」完了するよう事前にしっかりと採寸・計画しましょう。

（3）必ず絶縁・保護する

車内では家具や金属にこすれて被覆が破れることもあるため、熱収縮チューブ・絶縁テープでの保護を確実に行いましょう。

キャンピングカー車内でおすすめのケーブル延長方法

ケーブルの延長方法について、以下の２つを紹介します。

圧着スリーブ＋熱収縮チューブ
ギボシ端子を使った延長

私の場合、基本的には１の方法でケーブルを延長しましたが、照明関係の配線に関しては故障の際などに簡単に交換ができるよう２の方法で延長を行いました。

１．圧着スリーブ＋熱収縮チューブ

プロの電装業者が最もよく使う方法です。迷ったらこの方法を選びましょう。

作業手順

ケーブルをストリップして芯線の形を整える
芯線を裸圧着スリーブに差し込む
圧着ペンチで裸圧着スリーブを確実に潰す
圧着後、ケーブルを軽く引っ張り抜けないことを確認
熱収縮チューブで絶縁・保護

メリット

強度・耐振動性が高い
電圧降下や発熱リスクが少ない
高電流回路（インバーター・冷蔵庫・FFヒーターなど）に最適

デメリット

専用工具が必要

必要な工具と材料

圧着ペンチ
裸圧着スリーブ
熱収縮チューブ
ヒートガン

リンク

２．ギボシ端子を使った延長

DIYで最も使われているオーソドックスな方法です。機器に故障があった際などに接続部分を取り外すことができます。

作業手順

ケーブルの被覆を 5〜7mm ほどストリップする
オス端子・メス端子をそれぞれケーブルに差し込み、圧着ペンチで確実に圧着する
圧着部を軽く引っ張り、抜けないことを確認
オス端子とメス端子をしっかり奥まで接続する
抜け防止のため、接続後に軽く引っ張り確認
絶縁スリーブを被せ、その上から絶縁テープを巻く

メリット

手に入りやすく、作業が簡単
故障時に切り離しがしやすい

デメリット

差し込みが甘いと抜ける

オス端子、メス端子はそれぞれ配線のどちらにつけるか

作業をするとオス端子、メス端子をそれぞれ配線のどちらにつけるか迷うことがありますが、取り付け方は以下が推奨されています。

電源側（＋側）：メス端子
機器側：オス端子

理由は以下となります。

下の写真のように絶縁スリーブはメス端子に取り付いているため、オス・メス接合部が外れたときにはメス端子は絶縁スリーブで保護され続けるのに対して、オス端子は金属部分がむき出しとなります。仮に電源側にオス端子をつけてしまうと、外れた際にオス端子が車体や工具に触れると瞬時にショートし危険ですので、電源側にはメス端子を取り付けて万が一の際にも事故リスクを最小化する必要があります。