こちらの記事では車の外板塗装を自力で行う方法について紹介していきます。
車を塗装しようと思ったら普通は業者に頼むと思いますが、意外と簡単にきれいな仕上がりにすることができるため、業者に頼む前にまず自力での塗装も選択肢に入れることをおすすめします。
特にキャンピングカーを自作する方の場合、車内だけでなく車の外観も自分でアレンジすることによってますます愛着のわく1台を完成させることができます。
本記事を読むことで、自分で塗装をした場合の
- メリット・デメリット
- かかる費用と時間
- 作業手順
を知ることができますので、興味のある点があればぜひご一読いただければと思います。
自力での塗装ってどんな感じ?
自分で塗装をする場合は、必ずしも塗装スプレーや塗装ブースなどの本格的な構えは必要ではなく、刷毛やローラーを使った手塗りで十分満足のいくクオリティに仕上げることができます。
私自身、自分の車で塗装を行ったので写真を交えて具体的に紹介していきたいと思います。
こちらが私の車を手塗りで塗装する前と、塗装した後の写真です。
【Before】

【After】

私の場合は、ビスケットカラーと黒色のツートンに仕上げました。
自分で塗装をするメリット・デメリット
自分で塗装作業することのメリットとデメリットについては以下のようなことが挙げられます。
メリット
- 車の雰囲気を大幅に変えることができる
- 圧倒的に安くすむ
- もともとあった傷や汚れが目立たなくなる
- 友人・家族でやると良い思い出になる
- 万が一塗装後に車体に傷をつけてしまっても気軽に直せる
デメリット
- 作業場所の確保が必要
- 作業自体はそこそこ時間がかかる
- 多少ムラができる
- 塗装後についた汚れが残りやすい
- 売るときに値段が下がる
それぞれの項目について詳しくは以下の記事でまとめておりますので、興味がある方はこちらも併せて参考にしてみてください。
かかった費用と時間
かかった費用
作業にかかった費用はおおよそ33,000円となりました。そのおおまかな内訳は以下のとおりです。
- 塗料(ビスケット 4kg):13000円
- 塗料(マットブラック 1kg):6000円
- スプレー缶(プライマー/黒色スプレー):4000円
- 塗装セット(刷毛/ローラー/マスキングテープ/やすり):4000円
- 電動サンダー:5000円
- 補修パテ(車両の凹み直し用):1000円
ちなみにここでは2色塗装にかかった費用を紹介しておりますが、1色でカラーを仕上げる場合はもっと安くすることも可能です。
かかった時間
作業時間はトータルでおおよそ10時間かかりました。時間の内訳は以下のとおりです。
- 洗車:10分
- やすりがけ:2時間
- 洗車:10分
- パテ埋め:30分
- マスキング:1時間
- 塗装1回目(ビスケットカラー):1時間
- 塗装2回目(ビスケットカラー):1時間
- 塗装3回目(ビスケットカラー):1時間
- マスキング:30分
- 塗装4回目(マットブラック):1時間
- ホイール・グリル塗装:30分
途中で休憩を挟んだりしたので結局2日間に及ぶ作業となりました。
こちらも1色での塗装であれば作業時間はもう少し短くなります。
作業手順
私は今回ビスケットカラーとマットブラックのバイカラーにしたので、ここでは2色塗りをする場合の手順を紹介していきたいと思います。
洗車
まずは洗車をして車の汚れを落としていきます。
ボディの着色汚れなどは塗料で隠れるので気にせず、ここでは泥やほこりなどの汚れを落としてあげれば十分です。
ルーフも普段の雨などで汚れていることも多いので忘れずにしっかりと汚れを落としておきましょう。

やすりがけ
塗装後のはがれを防ぎ、塗料の保ちを良くするためにやすりがけ(足付け)をしていきます。
車のボディに傷をつけるようで最初は気が進まないかもしれないですが、怯まずにどんどんやすりがけをしていきましょう。
紙やすりを使って手だけで擦っていると日が暮れてしまうので、電動サンダーの力を借りて作業することをおすすめします。
やすりがけの理想は鉄板の色(銀色)が見えるくらいまでボディを削ることらしいですが、私は以下の写真のようにボディ表面がメラメラした見た目になるところでとどめておきました。(これくらいのやすりがけでも、塗装してから1年経ってもまったく塗料が落ちる気配はありません)

エンブレムも外し、積載量ステッカーも剥がしてやすりがけを行います。
こういった接着剤や両面テープでくっついているものはドライヤーで温めながら釣り糸などではがすのがおすすめです。

※要注意:車検時には積載量ステッカーを貼っていないといけないので、塗装が終わったら新しいステッカーを貼るようにしましょう(1ナンバー、4ナンバーの場合)
しんどいですが、ルーフにも上がってやすりがけをしました。
ルーフ部分も一般車からは見えないですが、トラックからはよく見えてしまうので手を抜かずにやりましょう。

今回、やすりがけにはこちらの商品を使用しました。
パテ埋め
ついでに気になっていた凹み部分もパテで埋めておきました。
まわりに馴染むようにできるだけパテをフラットに埋めることで、塗装後に凹みが目立たなくすることができます。(参考に写真を載せていますが、これはちょっと失敗している例です、、)

マスキング
塗料が余計なところについてしまわないよう、ライトやガラス、ドアの取っ手などの境界部分にしっかりとマスキングテープを貼っていきます。

2色構成にしたい場合は色の境界となる部分にも忘れずに貼りましょう。
マスキングテープは塗料を塗り終わった後、乾かないうちに剥がすと塗装剥がれなど無くきれいに取り去ることができます。
塗装1回目(ビスケットカラー)
マスキングテープが貼り終わったら塗装作業に移っていきます。
1回目の塗りは下の写真のような感じになります。
1回目は色がカスカスになるくらいがちょうどいいと聞いていましたが、このあとの重ね塗りでほんとにこの色ムラがなくなるのかかなり不安でした。(最終的には満足いく出来になります)

塗り方のコツとしては、広い平面は大きなローラーで手早く塗っていき、窓の縁など繊細な箇所は小さい刷毛で塗るといいと思います。
基本的にはローラーでムラが少なくなるように塗り(塗り過ぎには注意)、ローラーで塗れない箇所を刷毛で塗っていくイメージです。
塗装2回目(ビスケットカラー)
2度目の塗りが終わっても写真のようにまだ目立つムラがある状態です。

ただ1度目よりも塗料の乗りがよく、塗りやすくなります。
2回目を終えても色ムラがかなりあるので、うまくいくのかこの時点ではまだだいぶ不安でした。(繰り返しになりますが、最終的には満足いく出来になります)
塗装3回目(ビスケットカラー)
3度目が塗り終わるとほぼムラもなくきれいに仕上がります。
よーく見るとちょっとだけ色ムラが何箇所かあるかなー、となる程度です。

(写真の都合上、すでに車下回りのマットブラックも塗ってしまっていますが、ここでは実際にはビスケットカラーのみが塗り終わっている状態です)
もし気になる方は4度塗りに挑戦してみるのもいいと思います。
おそらく4度塗りまでやれば色ムラで気になるところはなくなると思います。(私は3度塗りのクオリティで十分満足できています)
塗装が終わったら場合、塗料が完全に乾く前にマスキングテープを剥がしましょう。
塗装4回目(マットブラック)
2色目の塗装に移ります。
ビスケットカラーが完全に乾いたらマットブラックとの境界部にマスキングテープを貼り、1色目と同じ手順でマットブラックを塗っていきます。
マットブラックが塗り終わったら塗料が乾く前に丁寧にマスキングテープを剥がしていきます。
ちなみにマットブラックについては1度塗りで十分でした。
塗料の乗りが良かったのであえてカスカスにはせずにしっかりめに塗ることで1度で終わることができました。

ホイール・グリル塗装
色のバランス的に、ホイールやグリルも銀色から黒色系統に変えたかったのでスプレー塗装をしました。
スプレーだけでとても簡単に、しかもきれいに仕上げることができます。
ここでの塗装手順は以下の通りです。
- パーツクリーナーで汚れや油分を拭き取る
- ミッチャクロンを吹き付けて塗料の密着性を上げる
- カラースプレー(ここでは黒色)をかける
【Before】

【After】

まとめ
本記事では車の外板塗装を自力で行った場合のメリット・デメリット、かかった時間や費用、作業手順について紹介をしました。
作業自体はそこそこ時間がかかって大変ではあるものの、意外と簡単で気軽に挑戦できることがわかりました。
自分で塗装をすると愛着がより一層わいてきますし、自分だけのカラーの車をつくることができるので一度検討してみてはいかがでしょうか?



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