【エアコン】キャンピングカーエアコン 冷媒ガスの充填方法詳細

つくり方

こちらの記事では、キャンピングカーに取り付けたエアコンへの冷媒ガス充填方法について紹介していきます。

業者に頼まずに自力でエアコンを設置する際、冷媒ガスの充填は一際ハードルが高い作業と思われるかもしれませんが、いくつかポイントを押さえておけば未経験者でも安全に配慮した作業が可能です。

こちらの記事では作業内容を詳細に紹介しておりますので、興味がある方はぜひ参考にしていただければと思います。

必要な道具

エアコンに冷媒ガスを充填するにあたり、充填する冷媒ガスの他に、エアコンガスチャージキット電動真空ポンプが必要となります。

セットで販売している商品がありますので、レンタルか購入するかして事前に準備するようにしましょう。

また安全のため、冷媒ガス充填作業をする際には必ず安全メガネ手袋をするようにしましょう。

真空ポンプのセッティング

真空ポンプの給油口(黒い大きいキャップ)をあけて、付属のオイルをひとまず「MAX」のラインまでいれましょう。

オイルを入れたら給油口は閉めておきます。

吸気口(小さい黒キャップ)をあけ、そのままの状態でポンプの電源をいれて30秒間稼働します。

ポンプ稼働後にオイルが減っているようであれば足して、続けて吸気口を閉めて1分間稼働したのち再び油量計を確認します。

稼働後しばらく時間が経つと少し遅れて油量が減る可能性があるので、数分様子を見て減っていたらその分足しておくにしましょう。

油量は「MIN」から「MAX」の間に収まっていればOKです。これで真空ポンプのセッティングは完了です。

真空引き

マニホールドゲージにケーブルを色通りに配線していきます。

この時点では、ゲージ側のバルブはすべて閉めた状態にしておきます。

続いて、このケーブルをエアコン配管のバルブに接続していきます。

赤色ケーブル(高圧側)はコンデンサー側のバルブに、青色ケーブル(低圧側)はコンプレッサー側のバルブに接続します。

取付部のカプラーはそれぞれ径が異なるのでつけ間違えるようなことはありません。カプラーは差し込むだけでカチッと音がなり接続することができます。

次にポンプの吸気口バルブを開けて黄色のケーブルを接続します。

これで真空引きの準備はできたので、ゲージの高圧側(赤)、低圧側(青)、ポンプ(黄色)のすべてのバルブを開けます。

これによって、エアコンの冷媒ホース内と真空ポンプ内がつながった状態になります。

バルブをすべて開けたらポンプの電源を入れて20分間真空引きを行います。

ここで、バルブとケーブルの接続部が緩んでいると白煙が発生したり正しく真空引きできなかったりするので注意しましょう。

私の場合は、吊るしていたバルブゲージを落とした拍子にバルブの接続部が緩んでしまい、最初は真空引きがうまくできませんでした。(10センチくらいの高さから落ちただけで軽めの衝撃だったのですが、それくらいで簡単にバルブは緩んでしまうので要注意です)

しっかりと真空引きが終わったら真空ポンプ(黄色)のバルブを閉めてポンプの電源を切ります

これでエアコンの冷媒ホース内は真空のまま維持されます。このとき圧力計は両方とも-1barを指しています。(ゲージは大気圧で0barを指すので、-1barは真空になっていることを意味します)

エアコン配管からの空気漏れがないかチェックするためにこの状態のまま20分間放置します。

20分後、圧力計に変化がなく漏れがないことを確認したらすべてのバルブを閉め、黄色のケーブルを真空ポンプから取り外します。

これで真空引きの作業は完了です。

冷媒ガスの充填

冷媒ガスを充填するにあたり、ガスの循環サイクルを下の図のような形で把握しておくと作業の中身がわかるようになると思います。この模式図の内容を頭に入れつつ、実際の作業に移っていきます。

ちなみにエアコン販売元のnekpokkaに問い合わせたところ、外気温が22~25℃の場合は高圧側8~9kPa25~30℃の場合は高圧側9~10kPa30~35℃の場合は高圧側10~12kPaがガス量の適正値とのことなのでこの数値を目指してガス缶をおよそ3個使用してガスを充填していきます。

なお、低圧側はいずれの温度でも2.5~3kPaになるとのことです。

まずはエアコンガスチャージキットに入っている缶切りバルブを冷媒ガス缶に固定します。缶切りバルブまでセットしたらゲージにつながっている黄色ケーブルを接続します。

ケーブルがセットできたら缶切りバルブをまわして針で缶に穴を開けていきます

穴が空いたら缶からケーブルへとガスが通れるように針を少しひっこめるようにします(バルブを緩める方向へ回す)。

青と赤のバルブは閉めたままで、黄色の取付部のバルブキャップを取り外します。

キャップを取り外すと真ん中にプッシュピンがあるので、ピンを押して黄色ケーブル内に残っている空気をガスで押し出します。これでケーブル内は冷媒ガスのみで満たされた状態になります。

それでは、実際にエアコン配管に冷媒ガスを注入していきます。

まずは高圧バルブをゆるめて高圧側からガス入れを行っていきます。(※高圧側からガスを入れるときは絶対にエアコンを稼働させないこと

はじめに高圧側からいれることで、冷媒回路につまりがあったときにマニホールドゲージの低圧側の針が上がらないのですぐに故障の有無を判断できるとのことです。

冷媒ガスが入っていくとゲージの針が上がっていき、しばらくすると一定値で止まるので高圧側のバルブを閉じます

ここまでで配管に異常がないことを確認して次のステップに移ります。

缶の中にはガスがまだ残っているので缶はそのまま黄色ケーブルにつなげた状態で、今度は低圧側のバルブを開けます。

必ず高圧側が閉まっていることを確認してから、低圧側のバルブを開いた状態でエアコンの電源を入れ、コンプレッサーが動き出したら本格的なガス充填が開始されます(エアコンを駆動したままガスをいれることでクーラー内部までガスが行き渡っていきます)。

1本目の缶のガスがなくなったらすべてのバルブを閉めます。

ここで、ガス充填に関する注意点をまとめます。

  • 高圧側のバルブが開いている状態で絶対にエアコンは稼働させない(ガス缶が破裂し大事故につながる危険性がある)
  • 絶対にガス缶は横に倒さない、振らない(液状ガスが配管内に入りコンプレッサーが壊れる可能性があるため)
  • 早くガス充填しようと缶を温めたりしない(外気温によってはガスの充填には時間がかかるが辛抱強く待つ)
  • 充填中のガス缶の上下は触らない(ガス缶が破裂する場合は缶の上下が抜けるように破裂するため)
  • ガスは指定量以上は絶対いれない(配管が破裂したり機器類の故障につながる)

続けて、エアコンを稼働したまま缶を2本目に交換していきます。1本目と同じ手順で缶を取り付け、プッシュピンを押してのエア抜きも忘れず行います。

2本目以降は必ず低圧側から冷媒ガスをいれていきます。(くどいようですが、エアコンを稼働しながら高圧側を開けると缶が破裂して大事故につながる危険性があるため)

2本目の缶が空になったら再びすべてのバルブを閉じて、同じ手順で3本目の缶に交換をしてガスをいれていきます(3本目も必ず低圧側からガスを入れる)。

3本分のガスを入れ、ガス圧が狙い通りになっていることを確認します(外気温が22~25℃の場合は高圧側8~9kPa、25~30℃の場合は高圧側9~10kPa、30~35℃の場合は高圧側10~12kPa。低圧はいずれも2.5~3kPa)。

ガス圧が狙い通りの数値になっていることを確認したらエアコンを停止し、確実にすべてのバルブが閉じていることを確認して各種ケーブルを取り外します。

エアコンホースのバルブには元通り保護キャップをつけておきましょう。

これで冷媒ガス充填作業は完了です。

まとめ

こちらの記事ではエアコンの冷媒ガスの充填方法について紹介しました。

基本的な手順さえ踏まえればさほど難しい作業ではありませんが、誤った作業をすると大事故につながりかねないので安全に十分配慮したうえで作業をするようにしましょう。

こちらの記事で紹介しているような手順を参考に、ぜひ挑戦してみていただければと思います。

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