こちらの記事ではエアコン室外機のコンプレッサーを保持する懸架台の製作について紹介したいと思います。コンプレッサーはそれなりの重量物なので、安心で安全なバンライフを送るためにもその取付けは強固にしておく必要があります。こちらの記事で紹介しているような方法で懸架台を製作すれば十分な強度を担保することができますのでぜひ参考にしてみてください。
コンプレッサー懸架台の取り付け状態
こちらの写真は分解した室外機を車の下の空間に取り付けてある様子を写したものです。室外機の部品としては、コンプレッサー、コンデンサー、ファンが分解されて取り付けられている状態です。

今回紹介するコンプレッサー懸架台は下の写真のハッチングで囲んでいる部分となります。

室外機の部品が車下に取り付けられている様子を模式図で示すと下の図のようになります。赤丸で囲んでいる部分がコンプレッサー懸架台です。

コンプレッサー懸架台の寸法
コンプレッサー懸架台の寸法は以下のようになっています。
地面に接触することを防いだり、なるべく重量を軽くするためにコンプレッサー懸架台はできるだけコンパクトに製作しました。

アングルを組み合わせてフレームづくり
まずは模式図のうち、ハッチングしている箇所のパーツを製作していきます。コンプレッサーをかごのように覆っているフレーム部分です。

L字アングルを組み合わせてフレームをつくっていきます。M8のボルト・ナット、ワッシャーを使用してアングル同士を固定します。3本のL字アングルが重ね合わさる部分は下の写真のような状態になります。

8本のL字アングル(200mmが2本、250mmが2本、150mmが4本)を組み合わせてフレームを製作すると以下の写真のようになります。フレームのロの字になっている箇所の真ん中には補強用の平板を1枚組み付けています。

コンプレッサー取り付け部の製作
続いて、コンプレッサー取り付け用の床板を先ほどつくったフレームに固定します。この床板とフレームの固定にはM5ボルトを使用しました。(L字アングルにあいている小さな穴をM5ボルト締結に利用しています)
床板を取り付けたあとは、紫色で丸囲みしている箇所に穴をあけてコンプレッサーを取り付けられるよう準備をします。

実際に穴をあけ、コンプレッサーを取り付けたあとはこのような見た目になります。

取り付け箇所の裏側を見るとこのようになっています。コンプレッサーは付属のM8ボルト4本で固定され、2箇所は床板に、あとの2箇所はL字アングルに取り付いています。

フレーム上部の製作
次に、フレーム上部(模式図のハッチングで示した部分)の製作を行っていきます。

下の写真のように、先ほど製作したフレームの上部に被せるように4本のL字アングル(200mmが2本、550mmが2本)を取り付けていきます。

上部のL字アングルを固定したら、続いて補強用に三角ブラケットを取り付けます。
この三角ブラケットを取り付けることで、550mmのL字ブラケットとコンプレッサーを囲うかごの部分とが強固に固定され、コンプレッサーの揺れの抑制や部品強度アップ(応力集中の緩和)を期待することができます。

完成形
上記のような工程を経て、コンプレッサー懸架台が完成しました。

余談:懸架台の高さについて
実は懸架台の高さについて、何度も試行錯誤をするなかで最終的に150mmという高さに行き着きました。
最初はコンプレッサーまわりのホースが干渉しないよう十分なスペースを確保するために高さを250mmにしていました。しかし、実際に車下に取り付けてみると思いのほか下に出っ張ってしまい、スロープを乗り越えた際などに擦る危険性があったため高さを低くすることを検討しました。

それを反映したのが懸架台の高さを200mmにした下の写真です。先程よりもだいぶコンパクトではあるものの、ホース類を取り回すためのスペースも確保できているのでこれで良さそうに見えます。

これを実際に車下に仮付けした様子を写したものが下の写真です。
取り付けてみた感じは収まりもよく、試しにこの状態で家の前のスロープをゆっくり乗り越えてみた結果擦るようなこともなかったのですが、まだ少し高さを低く抑えられる余地がある感じです。

そこで、最終的に高さを150mmにすることにしました。これが今回の記事で紹介している完成形の懸架台です。ホースを懸架台の上のスペースを通すようにした結果、懸架台の高さをぐっと抑えることができ、かなり安全性が高く、かつ軽量な懸架台とすることができました。

まとめ
こちらの記事ではエアコン室外機のコンプレッサーを保持する懸架台の製作方法について紹介しました。作り方を工夫するだけでコンパクトでかつ高い安全性を確保した懸架台を製作することが可能ですので、こちらの記事の内容を踏まえて製作検討をしていただければと思います。